ヤマザキ春のパンまつりの食器の秘密

ヤマザキ春のパンまつりの食器の秘密

物理強化ガラスと化学強化ガラスの違い

2022/4/4

 今年も、ヤマザキ春のパンまつり(以下パンまつり)の季節がやってきました。毎年、私はわりと頑張って点数集めて、3~4枚程度、食器をもらっているのですが、今年はやっと1枚分溜まって交換してきました。パンまつりでもらえる食器は、シンプルなデザインの真っ白い食器ですが、年によって皿だったり、ボウルだったり、形状は変わります。
 今年はボウルですね。直径が149mm、高さが47mmで、サラダやスープなどに良さそうです。パンまつりの食器は、すべてフランスのアルク社の製品ですが、これ実は普通のガラスではなく、強化ガラス製なのです。通常のガラスよりも強度が高い強化ガラスは、スマホなどの液晶保護ガラスにも使われています。強化ガラスは、その強化方法によって、物理強化ガラスと化学強化ガラスに大別できます。パンまつりの食器は物理強化ガラスで、スマホでよく使われるゴリラガラスは化学強化ガラスです。
 ガラスは、圧縮には強いのですが、引っ張りや曲げには弱いという性質があります。キズが入ると、そこに力が集中してすぐ割れてしまいます。強化ガラスは、表面に圧縮の力(応力と呼びます)を残すことで、引っ張る力がかかってもその圧縮応力で打ち消す仕組みになっているのです。物理強化ガラスは、ガラスを650℃~700℃程度に加熱してから急冷して作ります。表面が先に冷えて縮むことになるので、表面には圧縮応力が、内部には逆に引っ張り応力が残ります。物理強化ガラスは、表面の強度は高いのですが、キズが引っ張り応力が残っている内部に達すると、その応力が解放され、爆発するように粉々になります。自動車のフロントガラスが粉々になるのも、物理強化ガラスが使われているためです。

ちゃんと物理強化ガラスだという説明書きがありますね。
 それに対し、化学処理によってガラス表面のイオンを交換することで、表面の極薄い部分に圧縮応力を残すのが、化学強化ガラスです。具体的にはガラス表面のナトリウムイオンやリチウムイオンを、半径が大きなカリウムイオンに一部置き換えることで、圧縮応力がうまれます。こちらは、内部に引っ張り応力は残りませんので、粉々になるような割れ方はしません。
 今は商社での取り扱いが終わっていますが、コレール社の食器も軽くて丈夫ということで人気がありました。コレール社の食器もアルク社と同じように物理強化ガラスでできています。コレールの皿がいきなり爆発するように割れたという話がときどきありますが、パンまつりでもらえる食器も同じ性質を持っていますので、気をつけましょう。とはいえ、一般的なガラス食器よりずっと丈夫ですので、普通に使っている分には大丈夫です。
(石井英男)


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